第138章 もう少しおとなしくして

会社を出て、紗雪の屋敷に着いたのはもう夜の十時五十分を回っていた。

朔也は前に進み呼び鈴を鳴らすと、小川さんが出迎えた。

「風間さん」

朔也は頷き、それに応えてから中に足を踏み入れた。

入るなり、彼は尋ねた。「子供たちは寝たか?」

「はい、九時過ぎにはお休みになりました」と小川さんは答えた。

朔也はさらに尋ねる。「紗雪も寝たのか?」

小川さんは答えた。「お嬢様は先ほど二階へ上がられたばかりですので、まだお休みにはなっていないかと」

朔也は一瞬ためらい、尋ねた。「二階へ行ってもいいだろうか? 彼女の怪我の具合が見たいんだが」

この問いに、小川さんも承諾すべきか迷った。

しか...

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