第193章 昨夜は君に情けをかけた

「あなた……」

紗雪はカッと頭に血が上った。

この男、よくもまあこんなに堂々と答えられたものだわ!

「紗雪、そんなにあの男に見られるのが気になるのか?」

紗雪は彼と話が噛み合っておらず、その言葉に苛立った視線を向けた。

「当たり前でしょ?」

瞬兄さんに見られたら、大変なことになるんですけど?

昨日だって私が必死に止めなかったら、この人きっと殴られてたわよ!

しかし、朔也は誤解した。

紗雪がそう言ったのは、相手の気持ちを気にしているからだと。

途端に、面白くないという感情が腹の底から湧き上がってくる。

朔也の瞳の奥に暗い色が渦巻いたが、それは一瞬で消え去った。

「紗雪、...

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