第204章 この妻は宝物

紗雪が戻ってくると、瞬が不思議そうに尋ねた。「沙雪、随分と長かったじゃないか?」

紗雪は本当のことを言えず、言葉を濁して答えるしかなかった。「裏庭で何か物音がしたから、ちょっと見に行っただけ」

瞬は疑うこともなく、ただもう一言問いかけた。「耳が、どうしてそんなに赤いんだ?」

それはあのクズ男、朔也のせいじゃない!!!

紗雪は少し気まずくなり、手で顔を扇ぎながら言った。「そう? マスクをしてるから、ちょっと蒸れて熱くなったのかも」

瞬は全く疑わなかった。

妹が暑いと聞くと、自ら進んで佐藤さんの団扇を借りてきて、ぱたぱたと扇いであげた。「ここにはエアコンがないからな。兄ちゃんが扇いで...

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