第266章 身元を公開する

その頃、幸村夫妻は、すでに沢夫妻と談笑していた。

幸村は彼らを目にすると、人の好さそうな笑みを浮かべ、言った。「これはこれは、珍しいお客様だ。榊原会長が今夜、このような席にお越しくださるとは。我が家の母の誕生祝いへようこそ!」

幸村は今でこそ風間家のことにあまり口出しはしないが、長年ビジネスの世界で揉まれてきただけあって、その身には威厳と風格が自ずと備わっている。

K市では、彼に会えば誰もがいくらかの敬意を払う。

だが、沢も彼に引けを取らない。

清伊と共に幸村の向かいに立つと、その身に纏うオーラは幸村と互角だった。

傍から見れば、その怒らずして威厳のある佇まいに、気の弱い者など気...

ログインして続きを読む