第270章 甘い顔をしすぎたようね?

「もし私に情けがなければ、この監視カメラの映像など残してはおきませんでしたよ」

 浅見家の爺さんも、最初からこの映像を公にしなかったことを後悔しているようだった。

 だが、彼にもどうすることもできなかった。彼は浅見家の一員であり、しかもその孫娘は後にK市を離れてしまったのだ。

 そして今、朔也の説得が、彼の心を揺さぶった。

 ほとんど迷うことなく、彼はUSBメモリを朔也に手渡した。

 「君の言う通りだ。もう六年も経つ。これはすべて、浅見家が彼女に負っている借りだ」

 爺さんは諭すように言った。「今日のことは、私が来なかったことにしてくれ。これからは、彼女を大切にしてやってくれ」

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