第284章 おとなしく待ってて、迎えに行くから

 しかし、紗雪はその事実を知らない。

 ただ、奈和の手から何とか奪い取り、あれほど心痛な表情をさせたのだから、この腕輪がいかに重要かはわかる。

 だが、風間のおばあ様はどうしても腕輪を受け取ろうとはしなかった。

 押し問答の末、紗雪はうっかり落として壊してしまわないか心配になり、一旦は受け取るしかなかった。

 後で朔也に返せばいい。

 警告されたからか、夕食の間奈和が事を荒立てることはなく皆、比較的和やかに食事を終えた。

 風間のおばあ様が用意させたのは、どれも紗雪と二人の子供たちの好物ばかりで、食卓の雰囲気はとても和やかだった。

 これもまた、二人の子供たちにとって、風間家と...

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