第399章 彼女を好きになるのを諦める

 琉生が顔を上げると、朔也の視線と真正面からぶつかった。

 琉生は少しも怯むことなく、自ら挨拶の言葉を口にした。

「風間社長」

 声には何の感情もこもっていない。

 朔也もまた、淡々と相手に言葉を返した。

 二人は一見すると礼儀正しいが、その身からは、奇妙で無形のオーラが静かに放たれていた。

 紗雪はまだそれに気づかず、葉を引っ張って席に着かせた。

 葉は心配そうに尋ねる。

「智也さんの容態はどうですか? 国内にいた時、彼がひどい怪我をされたと聞きました」

 紗雪は頷いた。

「ええ、とても重かったの。治療を経てだいぶ良くなったけど、今も植物状態のままよ」

 それを聞き、...

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