第411章 おとなしくして

「でたらめ言わないで! 私の目は純粋で真っ直ぐなんだから。あなたがおかしなこと考えてるだけでしょ!」

 紗雪にもプライドというものがある。こんなことを認めるわけにはいかない。

 しかし、先ほど自分の頭の中がどうなっていたか、本当に分かっているのは彼女自身だけだった。

 少し気まずそうに、彼女は催促する。

「早く行きましょ。背中、拭くんじゃなかったの?」

 朔也に彼女の表情は見えなかったが、それでも低く笑い声を漏らした。実に機嫌が良さそうだ。

 紗雪は恥ずかしさと苛立ちを覚え、またしても自分の意気地のなさを罵った。

 こんなにも簡単に美貌に惑わされてしまうなんて……。

 すぐに...

ログインして続きを読む