第152章

三十分後、薄井宴と藤堂光瑠は圭人を連れて先に遊園地へ到着した。

安全のため、薄井宴は遊園地を貸し切りにしていた。

この時間、園内にいるのはスタッフを除けば、彼ら三人の客だけだった。

数メートルもあるアニメキャラクターのオブジェや、色とりどりの城を眺めながら、藤堂光瑠は圭人に尋ねた。

「圭人、楽しい?」

圭人は問い返した。「あなたは楽しい?」

「うんうん、楽しい!」

「なら、僕も楽しい」

薄井宴は「……」となった。つまり、藤堂光瑠が楽しくなければ、彼も楽しくないということか?

では、パパが楽しくなかったらどうなる?

どこから湧いてきたのか分からない嫉妬心から、...

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