第173章

藤堂光瑠は謎の人物との会話をかいつまんで話した。夏川甘は驚きの声を上げる。

「声だけ聞こえて姿は見えない? 幽霊なの?」

藤堂光瑠は眉をひそめた。

「ただの幽霊ならまだいいわ。恐ろしいのは、あの人が私と間男のことを知ってたこと! 太郎たちが圭人のパパの子供だって知ってたのよ!」

「どうして知ってるのかしら? 当時のことは、瑠ちゃんが言わなかったから私や溯泉ちゃんさえ知らなかったのに。他に知ってる人なんていないはずよ! ……って、待って。もう圭人のパパが当時の間男だって確定したの?」

夏川甘は新大陸でも発見したかのように、いちいち大げさに驚いた。

藤堂光瑠は頷く。

「ええ!...

ログインして続きを読む