第179章

藤堂光瑠は心臓がバクバクと高鳴るのを感じた!

濃厚な酒の匂いを嗅いで、幽霊ではなく彼本人だと分かっていなければ、もっと怖かったに違いない!

「な、何するんですか?!」

藤堂光瑠は思わず彼を押し返した。

ドサッという音と共に、薄井宴はその場に倒れ込んだ。

藤堂光瑠は「???!」となった。

どういうこと? 軽く押しただけで倒れた?

指一本しか使ってないのに!

自分の力を知らなかったら、てっきり自分が怪力女か何かだと思っただろう。

藤堂光瑠は急いで電気をつけ、彼が怪我をしていないことを確認して、内心ホッとした。

もしこれで彼に何かあったら、自分のせいだ。万が一...

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