第196章

夜の帳が下り、冷たい風が吹き始めた。

病院は不気味なほど静まり返っている。

北条睦月は一人、研究室で親子鑑定の作業を進めていた。

午後に薄井宴から検体を渡されたものの、その後圭人が突然発作を起こしたため、ずっと圭人の傍で忙しくしていた。さらに臨時で手術も一件入り、親子鑑定の作業はズルズルと今までずれ込んでしまったのだ。

明日までに結果が出なければ、薄井宴は間違いなくキレるだろう。

だからこそ、今夜は残業してでも急いで結果を出さなければならない。

突然、研究室の照明が一度、チカッと瞬いた。

続けてもう一度、点滅する。

北条睦月が状況を飲み込む間もなく、不気味な...

ログインして続きを読む