第22章

清水喬月は電話越しに、しきりに薄井宴に会いに来てほしいと催促していた。

薄井宴「今は無理だ」

薄井宴のそっけない拒絶の言葉を聞き、清水喬月はいてもたってもいられなくなった。

単刀直入に尋ねる。「宴ちゃん、あなたまさか……外に女がいるんじゃないでしょうね?」

薄井宴「……どういう意味だ?」

電話の向こうから、清水喬月の泣き声が聞こえてくる。

「バーでホステスとキスしてたって聞いたわ……宴ちゃん、あなた昔はそんなことする人じゃなかった。それに、バーのホステスなんてまともな女じゃないわ……」

清水喬月の言葉が終わらないうちに、薄井宴は冷ややかに言った。「あれはただの事故だ」

事故?

...

ログインして続きを読む