第263章

薄井宴は彼女を見つめながら、ある疑問が頭に浮かんだが、直接問いただすことはせず、午前中の賭けの話に切り替えた。

「午前中、俺とした賭けを覚えているか?」

藤堂光瑠は問い返す。「あなたが出られなかったら、あなたのお金は全部私のものになるってやつ?」

「ああ。もし俺が出られたら、お前には金が入らない」

彼女には金が入らない?

その言葉は、なんとも悲しくなる響きだった。

藤堂光瑠はむっとした顔で黙り込む……。

薄井宴は彼女を見つめ、

「金が欲しいなら、俺が出ていくことを望むべきじゃない。お前は金が欲しいのか、それとも俺に出ていってほしいのか?」

「もちろんお金は欲しいです、でも…...

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