第288章

薄井宴は眉をひそめて藤堂光瑠を見つめていた。三郎が肩にもたれかかって眠ってしまっても、その小さな体を下ろそうとはしなかった。

 彼はまるで慈父が我が子を寝かしつけるかのように、ずっと三郎の背中を優しく叩いていた。

 しかし、その視線は常に藤堂光瑠に注がれており、心ここにあらずといった様子だった。

 大きな栄養剤のボトルが空になり、藤堂光瑠の点滴を交換するタイミングになって、ようやく彼は子供を下ろそうと考えた。

 彼は三郎を抱いて奥の部屋へ向かった。

 太郎と次郎はまだ眠っていた。同じ母親から生まれた兄弟なのに、二人の寝相は天と地ほども違っていた。

 太郎は仰向けに寝て、両手をきち...

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