第290章

太郎と次郎が目を覚ますと、病室に藤堂光瑠の姿はなかった。圭人の見舞いに来ているに違いないと察し、彼女を探しに来たのだ。

 ちょうど、彼女と薄井宴の会話を盗み聞きしてしまったところだった。

 次郎は怒りに満ちた顔で言った。

「圭人に何度も毒を盛る奴がいるなんて! 兄貴、この悪党を絶対に見つけ出して、圭人の仇を討たないと!」

 太郎の顔が険しくなる。「ああ、必ず見つけ出してやる!」

 弟に長期にわたって毒を盛り、圭人をずっと病気の状態にさせていたなど、万死に値する!

 それに、ママの心配は的中していた。常習犯である以上、今回圭人を毒殺し損ねたとなれば、再び毒を盛ろうと考えるかもしれな...

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