第296章

彼女に触れられ、薄井宴の心臓はさらに速く鼓動した。

 彼女の指の腹は熱く、まるで一房の炎のように、瞬く間に彼の全身を燃え上がらせた。

 夢の中で二人が絡み合った場面までが、脳裏で再生され始める……。

 薄井宴はひどく火照り、息は乱れ、喉仏がごくりと動いた。

 藤堂光瑠はまだ彼のことをよく理解しておらず、これが彼の発情の兆候だとは気づかない。小さな顔を上げて、いぶかしげに彼を見つめた。

「一体どうしたの?」

 薄井宴は秀麗な眉をきつく寄せ、彼女の唇を凝視する。キスしたい衝動に駆られるが、彼女を怖がらせてしまうことを恐れた。

 最終的に、心の欲望を無理やり抑え込み、手を引くと、不機...

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