第304章

 藤堂光瑠の顔が、さっと音を立てるように真っ赤に染まった。彼女は目を大きく見開いて、驚愕の表情で彼を見つめる。

 これって、真顔でセクハラしてるんじゃないの!?

 藤堂光瑠はかっとなり、再び手を振り上げた。「パシンッ!」

 薄井宴は驚き、引っこめようとする彼女の手を固く掴んだ。苛立ちが募る。

「また俺を叩いてどうするんだ!?」

「恥知らず! セクハラよ!」

「俺がいつセクハラした!?」

「今言った言葉が、セクハラそのものじゃない!」

 薄井宴は顔を険しくし、全く理解できないという様子だった。

「お前は俺に見られた。俺がお前に借りを作った。だからお前は不愉快なんだ。今度は俺が...

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