第305章

藤堂光瑠は唇を噛んだ。「……」

 その言葉は、実に不愉快だった!

 しかし、それもまた事実。彼が本気で彼女に何かをしようとすれば、抵抗などできるはずもなかった!

 あの時は頭に血が上って理性を失い、彼がわざとやっているのだと思い込んでしまった。

 何しろ彼は窓を乗り越えて忍び込んできたのだ!

 自分がシャワーを浴びている最中に、大の男がこそこそと窓から入ってきて、逃げようとしたら捕まえられ、バスタオルまで引き剥がされて……彼に良からぬ意図があると思うのは当然だ。絶対にわざとに決まっている!

 藤堂光瑠は小さく唇を尖らせ、ぶつぶつと呟いた。

「わざとじゃなくても、あなたに非がある...

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