第313章

「彼女は眠たいんだ。さっき寝かしつけていたから、返事ができなかった」薄井宴は嘘をついた。

 太郎には意味が分からなかった。「ママを寝かしつけてたって?」

「ああ。ここ数日、病院で圭人の看病をしていて疲れているだろうし、今日の彼女は情緒も不安定だった。眠りたいのに、なかなか寝付けないようだったから、俺が寝かしつけてやったんだ」

 藤堂光瑠は内心で叫んだ。『は???』このスケベ!嘘つき!

 自分は子供じゃないんだから、寝かしつけてもらう必要なんてない!

 このクソ男、他に何かマシな言い訳は思いつかなかったわけ!?

 太郎は明らかに信じていなかった。彼は胡散臭そうに薄井宴を数秒間見つめ...

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