第314章

 現在、巌谷研一の家。

 薄井宴はすでに子供たちによって、無理やり巌谷研一から引き剥がされていた。

 巌谷研一は満身創痍で床に倒れており、顔には血が滲み、その表情は苦痛に歪んでいる。

 夏川甘が慌てふためいて救急車を呼んでいるところだ。

 藤堂光瑠はその光景を目の当たりにし、驚きのあまり目玉が飛び出しそうになった。

 部屋に入るなり、まず頭から血を流している巌谷研一が目に入ったため、他のことには構っていられず、真っ先に彼のそばに駆け寄った。声が切羽詰まっている。

「さっきまで何ともなかったのに、一体何があったんですか?! お部屋に救急箱はありますか? 甘ちゃんの部屋にある! 甘ち...

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