第319章

「そうですし、そうでもありません」

 藤堂光瑠はむっとした。「そうですし、そうでもないって、どういうこと?」

 薄井宴は説明せず、真剣な顔で言った。「引っ越そう」

 「え?」

 「友人が使っていない別荘があるんだ。君と子供たちでそっちに移り住めばいい。家賃はいらないし、君たちも快適に暮らせる」

 藤堂光瑠に変に勘繰られないよう、彼はわざわざ付け加えた。「君と子供たちが引っ越すだけで、俺は行かない」

 藤堂光瑠は「……」となった。

 薄井宴は続ける。「別荘の近くにも幼稚園がある。転園手続きは俺が手伝ってやれる」

 「転園?!」

 「ああ。そっちの幼稚園の方がここよりいい。それ...

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