第339章

室内では、巌谷研一が修理工と共に水道管の修理を手伝っていた。

 薄井宴が入ってくるのを見て、彼はわずかに目を細めたが、その表情からは喜怒を読み取ることはできない。

 薄井宴は彼を鋭く睨みつけ、殴りたい衝動をひとまず抑え込むと、車のキーを玄関の棚に放り投げ、シャツの袖をまくり上げてトイレへと歩みを進めた。

「どけ!」

 彼が来たのは、一刻も早く水道管を直し、藤堂光瑠を心配させないためだった。

 それに、巌谷研一を一人で部屋に置いておくのも不安だった。水道管の修理にかこつけて、トイレに何か細工をされるのではないかと危惧したのだ!

 薄井宴の口調は刺々しい。巌谷研一の目尻に、一瞬険しい...

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