第89章

もしかして、恋してるの?

まさにその時、夏川甘が現れた!

彼女は藤堂光瑠が必死に手を振っているのを見て何かを察し、藤堂次郎の腕を掴んでその場を離れようとした。

藤堂次郎は抵抗する。「おばちゃん! ママが転んじゃった!」

「だ、大丈夫よ。後で見に行きましょう。ほら、あそこの棚は全部布団とかだから。ふわふわで怪我なんてしないわ」

「で、でも、ママが男の人と一緒にいるの見た。二人、その……キスしてたみたい」

夏川甘の目が輝いた。「本当!?」

「うん! ママからキスしてた」

夏川甘は「……」となった。あらら、そんなすごい場面、見に行きたいけどどうしよう?

だめだめ、見に...

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