第16章:残酷な王

私は彼のメッセージをじっと見つめ、そして彼のソーシャルアカウントを完全にブロックした。私の心の平穏は、彼の身勝手な怒りなんかよりずっと価値がある。

その時、マインドリンクが無理やり私の意識に割り込もうとしてきた。ダレルの精神の声は、まるで紙やすりで思考を削られるような不快感があった。

『セーブル! なんで俺の番号をブロックしたんだ? 答えろ!』

私は持てる限りの精神障壁をすべて叩きつけ、接続を断ち切った。私の中の狼、エスメは満足げに喉を鳴らした。

『いい気味ね。あんな奴の雑音なんて、全部シャットアウトしちゃいなさい』

唯一、私を笑顔にしてくれたのはケイトからのコメントだった。

「キャ...

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