第170章:掘り起こせ

月明かりの下、質素な墓が並ぶ中で、ひときわ目を引く立派な白い大理石の墓石があった。

エドワードが私の横で立ち止まった。「陛下、ここです」

私は墓石に歩み寄り、そこに刻まれた文字を声に出して読み上げた。「『最愛の母へ。天国ではもう僕のことを心配しないでください。――母さんを永遠に愛する息子、ルシアンより』」

エドワードは不安げに周囲を見渡した。「陛下、次はどうなされますか……」

私は彼の方を向き、冷徹な決意をその目に宿した。「掘り起こせ」

エドワードはあんぐりと口を開けた。「は? 陛下、今なんと仰いましたか?」

私は振り向き、死の宣告にも似た確固たる響きを声に乗せた。「この墓を掘り起...

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