第41話アウトサイダー

「セーブル、お願いだから……」

「彼女の代弁者気取りはやめて! あの場所を変える権利なんて、あんたにはないのよ!」

「私はただ、助けになればと……。この家を、私たち全員にとっての『家庭』にしたかっただけなの」

「ここはもう、私たちの家だったんだから!」言葉が震えて裏返る。「あんたが来る前は完璧だったのに――」

その時、玄関のドアが重々しい音を立てて開いた。

父さんが入ってきた。パックの公務で着ていたアルファの正装用ジャケットを、まだ身にまとったままだ。銀色の髪は、風に吹かれて少し乱れている。

だが、ホワイエに佇む私を見つけた瞬間、父さんの中から他のすべてが消え去ったようだった。

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