チャプター 60: ブラッド

私たち三人は馬に跨り、森の中へと歩を進め始めた。私はカエランと並んで馬を走らせ、ブレアは少し遅れて私たちの後ろをついてきた。

その平穏な静寂を破ったのは、ブレアの声だった。「セーブルさん、乗馬姿勢がとっても綺麗ね。まるでプロの騎手みたい」

私は驚いて振り返った。「ありがとう」

「もしよかったら、少しコツを教えてくれないかしら? もっと技術を磨きたいと思っていたの」

私は前方の道を指し示した。「センターに戻れば認定トレーナーがいるわ。私なんかより、彼らのほうがずっと適任よ」

すると、ブレアの声がか弱さを帯びた。「あら、でも私、知らない人に触れられて姿勢を直されるのは苦手なの。家族からし...

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