第15章 踊ってきてよ

荻原和夏は病院を出るなり、冴島家の荘園へと急いだ。冴島欣也が今どこにいるのかは知らない。だが――冴島家の人間なら、必ず知っている。

本当は冴島羽美を当たるつもりだった。けれど、以前あの女を脅してしまったことを思い出し、さすがに気が引ける。怯えきった羽美が、ボディーガードを何人も侍らせていても不思議じゃない。

殴られてつまみ出される未来は御免だ。

だから、荻原和夏が向かったのは執事の福生のもとだった。

福生の部屋へ行くと、彼は何やらチラシの束をめくっていた。

「福生さん?」

背後から急に声をかけられ、福生はびくっと肩を跳ねさせる。

「荻原さん……ここで何を」

振り返った福生の顎...

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