第42章 朝食

その夜、冴島零と荻原和夏は同じベッドに横になっていた。二人はまだ身体を重ねてはいない。けれど冴島零は、せめてもう少しだけ彼女のそばにいたくて――たとえば、抱きしめるくらいは。

灯りの落ちた部屋で、冴島零はそっと手を伸ばした。指先が辿り着いたのは、和夏の腰。触れた瞬間、彼女の身体がびくりと震える。眠ってはいない。そう分かって、冴島零の心臓が跳ねた。

(……嫌がられたらどうする)

手は腰に置いたまま、動けない。和夏が振り向いて突き放してくる場面が、脳裏にちらつく。

だが、和夏はそれ以上の反応を見せなかった。

小さな震えが収まるのを感じ、冴島零の中で恐る恐るの大胆さが芽を出す。腕を少しず...

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