第63章 喧嘩も強い

原村奈那子の手が振り下ろされるより早く、クリスがその手首を掴んだ。

クリスが警告しようと口を開いた、その瞬間――。

パァンッ!

荻原和夏が一歩踏み込み、原村奈那子の頬を容赦なく張り飛ばした。

クリスもヘンリーも、言葉を失う。

荻原和夏は手を引っ込め、掌を軽く揉みながら、涼しい顔で言った。

「子どもには手を出せない。でも、あなたには出せる。口げんかが強いって聞いたけど……ちょうどいい。私、けんかも強いの」

「よくも殴ったわね、このビッチ!」

原村奈那子は甲高く叫び、荻原和夏に飛びかかろうとする。だが手首はクリスに掴まれたまま、びくともしない。

荻原和夏は、わざとらしく舌を出し...

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