第100章

 ――その一瞬だった。

 あの、どこか異物が混ざったような裂ける痛みが、決して初めてではない感覚だと、ふいに気づいてしまったのは。

 知っている。

 けれど、どこかおかしい。

 この感じ……どこかで、経験している……?

 初めて男を受け入れたときの痛みじゃない。もっと、激しい感情に塗れた侵入がもたらす、暴力的な裂傷に近い――。

 セレステの脳裏に、唐突に鋭い痛みが走った。

 何か、霞の向こうから浮かび上がろうともがく断片がある。

 ぎらつく照明。視界の端で揺れる真っ白な天井。

 温かったはずの水が、少しずつ冷たくなっていく感触。

 焼け付くような激痛。そして、男の荒い息づ...

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