第123章

 写真には、二人の男女が写っていた。

 シャンパンカラーの豪奢なドレスを身に纏ったエミリーが、花のように微笑んでいる。彼女は片手を隣の男の腕に親しげに絡ませ、その顔を見上げていた。

 そして、彼女の傍らに立つその男は――

 ライナス。ルシアンの叔父だった。

 数年前、ヴィトーリ・ファミリーの跡目争いで彼と血で血を洗う抗争を繰り広げた宿敵。目的のためなら手段を選ばず、ルシアンを幾度も死の淵へと追いやった、あの冷酷無比なライナスだ。

 写真の中のライナスはわずかにうつむき、自分を見上げるエミリーに視線を落としている。狡猾と打算にまみれたはずのその顔には、ルシアンの見たこともないような優...

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