568章:動き始める

「どうしてまだエミリーのところへ行くんだ?」

こんな時にエミリーを探そうとするジェームズは、カデには愚か者にしか思えなかった。

「父さん、口を出すな。やることは一つだ。彼女を探して、俺が行かせたと言え。それから聞け――本当にニュースで大々的に騒がれて、ジョンソン・グループに居場所がなくなってもいいのかってな。そうすりゃ、あいつがどう出るか分かる」

ジェームズはまだ夢物語の中に生きていた。

カデは眉をひそめた。本当はこう言いたかったのだ。「エミリーのところへ行くより、ゾーイを探したほうが、よほど事態は動くんじゃないか」

ジェームズの胸の奥には、不安がくすぶっていた。ゾーイは手を貸すと約...

ログインして続きを読む