第622章:状況を好転させ、主導権を握る

「急げ、まずあの一団を閉じ込めろ。上の連中がこのひと山を検分して満足すりゃ、あとはご主人さまの“お楽しみ”に回される……あるいは別の手配だ」

そのころちょうど、エミリーは一人の男の後をつけ、連中の縄張りへと入り込んでいた。

彼女は異様なほど慎重だった。まるで生まれつき身についた才でもあるかのように、気配を消すことができた。

いまのところ、まだ見つかっていない。

やがて、追っていた男が屋敷の人間と鉢合わせた。

相手は明らかに使用人だった。顔を合わせた瞬間に互いを知っているとわかり、挨拶を交わすと、並んで歩き出す。

当然、話題は“任務”になる。

路上で目にした光景――自分と同じような...

ログインして続きを読む