第656話あなたには後援者がいます、私もそうです

「ゴホ、ゴホ、ゴホ……」

氷のように冷たい水が突然はねかかり、オリーの身体を激しい震えが貫いた。目が弾かれるように開く。だが視線は定まらず、霞がかかったままだ。

ゆっくりと意識が戻ってくる。目が忙しなく動き、周囲の様子を拾い集めた。

そして、カイアの姿を見つける。

次の瞬間、完全な覚醒が胸を殴りつけた。状況が一気に繋がる。

「カイア、逃げろ!危ない!」

必死に叫び、言葉が口を離れる頃にはもう逃げ道が断たれているのではないかと、恐怖で喉が焼けた。

カイアの胸に、ほっとしたものが広がる。

少なくとも、オリーは生きている。

だが次いで、涙の向こうで笑いそうになった――今さら走ったと...

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