第108章

鈴木結月は顎をわずかに上げ、淡々と言った。

「じゃあ、メイクは私の部屋でお願いします。下に降りてやるの、あんまり好きじゃないの」

橋本理子はうなずき、次の瞬間――結月の目の前で扉がバタンと閉められた。

橋本美月はメイクチームを午後まで丸ごと独占していた。時間が押してきたところで、ようやく橋本理子が急かし、数人がメイクボックスを提げて二階へ上がってくる。案内したのは吉田さんだった。

そのチームはB市でも名の知れたところで、普段から芸能人のヘアメイクも担当しているらしい。

橋本理子は「高いものが一番いい」という主義にどっぷりで、呼ぶスタイリストも当然いちばん高い。

こういうチームは富...

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