第119章

「小さい男の子だよ。それに、すっごく格好いいの」

 鈴木結月は首をかしげ、高橋悠人の横顔を覗き込むようにして、わざとそう言った。ところが、いつもならすぐムッとするはずの少年が、今日はまるで動じない。結月は思わず口をぽかんと開けた。

(今日のこの人、どうしちゃったの?)

 だから、さらに畳みかける。

「同じクラスじゃないんだけどね。私、いちばん好きだった」

「……なんでだと思う?」結月は声を落とした。

「なんで?」

 結月は、街路樹の大きな木を見上げた。昔、藤井健斗とおばあちゃんが、あの木の下で休んでいたところを絡まれて――それが悔しくて、結月が飛び込んだ。

「だってね。私が見...

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