第120章

「先生、入院したほうがいいですか?」

鈴木結月は縋るような目で医師を見上げ、やけに熱心に訊ねた。

医師はその様子に思わず笑ってしまい、言う。

「こういうケースはね、基本的には入院して経過観察をおすすめしますよ」

「じゃあ、入院します」

「しなくていい」

重なって響いた二つの声に、鈴木結月は振り向いた。車椅子の高橋悠人が、淡々とした顔でこちらを見ている。

結月は桜色の唇をきゅっと結び、少し間を置いてから言った。

「悠人が入院してくれるなら、明日は朝ごはん買ってくる。それに、病院にも一日中つきあう」

高橋悠人は彼女を見つめ、意外そうに眉を上げた。

鈴木結月は、ここまで条件を並...

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