第123章

鈴木結月はケビンに付き添われ、病院の地下駐車場まで歩いた。井上友里子の車の横で足を止めると、ケビンが助手席のドアを開け、声を潜めて言う。

「結月様、お乗りください」

「ありがとう」

鈴木結月は小さくうなずいた。いつだって礼儀だけは、間違いにならない。

乗り込むと、井上友里子は後部座席の反対側に座っていた。駐車場の照明は薄暗く、窓のフィルムが外の光を遮る。車内は静けさと闇に沈み、息遣いさえ重く感じられた。

ほどなく車は、ゆっくりと病院の駐車場を出る。

結月は首を傾け、窓の外へ目をやった。江都の夜がいちばん賑わう時間帯。通りに連なるネオンが、色の海みたいに途切れなく続いている。

走...

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