第125章

だが、次の瞬間。

 橋本理子は足元をすくわれたみたいに、まっすぐ身体を投げ出した。階段に叩きつけられ、そのままごろごろと転げ落ちていく。ドン、ガンッ――鈍くて大きい音が響き、リビングにいた人間まで一斉に顔を上げた。

 鈴木結月はその場に立ち尽くし、落ちていく橋本理子を見ていた。

 目の前の光景が現実だと理解できず、指先ひとつ動かせない。

 やがて鈴木慶信の声が飛ぶ。

 「理子、どうした! なんで転んだんだ!」

 橋本理子はまだ意識を失っていなかった。鈴木慶信に抱き起こされると、腕がゆっくり持ち上がり――階段のところに立つ鈴木結月を、かすかに指した。

 そのとき、二階にいた橋本美...

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