第136章

  彼女のチームは、どちらかといえば若手中心だ。採用の段階から鈴木結月自身も関わってきた。確かに経験不足という壁はある。けれど、若さの勢いが経験を食ってしまう瞬間があることを、彼女は知っている。

  それに、彼女の下にいる連中は、国内トップ2の大学卒か、世界トップクラスの名門校卒ばかりだ。頭脳だけで言えば、文字通り世界の上澄み。

  足りないのは、時間だけ。

  チームの誰かが、結月が電話一本でそそくさと出ていくのを見て、すぐに茶化した。

  「ボス、もしかしてデートに急いでるんじゃないっすか?」

  ――図星ではある。だが、鈴木結月は、すべてが片づく前に公表するつもりはなかった。...

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