第14章

  むしろ鈴木結月は静かに高橋悠人をひと目見た。彼が自分を連れてきたのは、御曹司連中が集まってバイクで遊んでいる場所だと思っていたのに――まさか、西村夏輝のために出てきたなんて。

  高橋悠人の言葉がそこで途切れたせいで、周囲は次を待つように黙り込む。

  「負けたら……跪いて、西村夏輝に謝れ」

  背がすらりと伸びた少年。顔立ちは、まともに見れば女の子が頬を赤くするほど整っている。なのに、その口から出てくる言葉は、人を腹の底から煮えくり返らせる。

  「……ふざけてんのか」

  石田猛の声が低く震えた。さすがに怒りを抑えきれない。

  勝ったときの条件が甘い蜜なら、負けたときの...

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