第15章

 高橋悠人はバイクの上から、沈みかけた夕陽を背に細い身体で必死に駆ける彼女の背中を見つめていた。

 鈴木結月が頂上に届きそうになった、そのとき。後ろから石田猛のバイクも追いつく。石田猛は停まるなり、連れてきた赤髪の女子にまくし立てた。

 「早く行け! 旗取ってこい、グズグズすんな」

 女子は飛び降りると、そのまま階段へ駆け上がった。

 赤髪の女子も遅くはない。だが、悠人が序盤で稼いだ差が大きすぎた。鈴木結月が旗を掴んで駆け下りてくる頃、赤髪の女子はようやく上へ向かっているところだった。

 二人がぶつかったのは、階段の途中にある踊り場。香炉を置くために作られたのか、やけに広い。

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