第155章

  それからまた一週間が過ぎても、鈴木結月は相変わらず「佐々木祐真」という男子の名前を口にしていた。

  高橋悠人は、その頃の自分がひどく機嫌を損ねていたことを覚えている。結月の口から、別の男の名前が何度も何度も出てくるのが嫌だった。

  そして何より、結月がそいつのことを気にしているのが――嫌だった。

  たとえそれが、倒すための「気にしている」だとしても。

  だから、これまで一度も祖母に何かをねだったことのない高橋悠人が、祖母に言った。ナンプレの参考書が欲しい、と。

  高い本だと分かっていても、どうしても買ってほしくて、頭を下げた。

  結月がいちばん好きなナンプレ。なら...

ログインして続きを読む