第16章

石田猛は、西村夏輝のことを最初から相手にしていなかった。たとえ今はそれなりに身なりを整えていようと、どうせ高橋悠人の威を借りているだけ――そう見えていたのだ。三年間いじめ倒してきた腰抜けが、今さら逆らえるはずがない。

にやりと口角を上げかけた、その瞬間。

西村夏輝が石田猛をまっすぐ睨みつけ、噛みつくように言い放った。

「俺に、もうちょい敬意ってもん払えよ」

石田猛の笑みが、顔に貼りついたまま固まる。

次の瞬間、西村夏輝の拳が石田猛の顔面に叩き込まれた。

「――っ!」

西村夏輝は怒鳴る。

「いつまでも俺をナメてんじゃねえ! 昔、俺から脅し取った金、気持ちよく使ったよな? なあ、...

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