第17章

鈴木慶信は娘の言葉を聞きながら、胸の奥で橋本美月への不満をいっそう募らせていった。

橋本理子が連れてきたあの子のことは、好きでも嫌いでもない。鈴木家には金がある。子どもが一人増えたところで痛くも痒くもない。だが――この程度のことすら手を貸さないのか。

しかも、さっき橋本美月が自分に言ってきた内容を思い返すと、慶信はますます腹が立った。こういう男は、表情に出さない。内心を隠したまま、柔らかな声で鈴木結月に言う。

「もう遅い。先に上へ行って休みなさい」

「父さん、週末にちょっと買い物したいの。お小遣い、もらえる?」

結月が自分から小遣いをねだったのは初めてだった。慶信はすぐに笑みを深く...

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