第178章

  妊娠して最初の三か月、鈴木結月は極力目立たないようにして、誰にも言わなかった。けれど四か月目に入る頃には、お腹が少しずつふくらみ始める。もともと細身だから、ほんのわずかな変化でも隠しきれない。

  だから結月は、ある夜を選んだ。玲央のベッドにわざわざ潜り込み、同じ布団の中で向き合う。

  「玲央」

  結月は腕の中のチビちゃんを見下ろした。赤ん坊の面影は薄れ、小さな少年らしい輪郭が出てきている。

  見上げてくる大きな瞳は、甘えるように潤んでいて――母親にだけ向ける、特別な甘えがそこにあった。

  結月は首をかしげ、笑みを含ませてやわらかく言う。

  「玲央、お兄ちゃんになる...

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