第180章

 今日はもともと、家族みんなで玲央を大会へ送っていく約束だった。玲央にとって初めてのナンプレ大会、しかも全国大会なのだから。

 だから一家総出で会場へ――のはずが、誰かに何かが起きるとしたら、よりにもよって高橋若菜だった。

 朝起きた瞬間、若菜は大騒ぎした。いちばんお気に入りのピンクのワンピースが見当たらないのだ。

 若菜はもう五歳。好みもこだわりも、しっかりある。

 要するに「小さなお姫さま」みたいな格好がしたい。いつだって。

 真珠のついたそのドレスが着たいと泣きじゃくる若菜に、鈴木結月は根気よく探してやった。けれど見つかった理由が最悪だった。使用人が洗濯に出してしまっていたの...

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