第21章

鈴木結月は真顔で言った。

「情報収集のプロでも目指したら? 恵茉の得意分野、全部活かせると思う」

岡本恵茉は言葉を失う。

「……」

ここ数日、橋本美月は家でずっと騒いでいた。橋本理子にドレスを買ってほしい、と。

けれど橋本理子は、ドレスは高いわりに使いどころがないと考えていて、最初から買うつもりがなかった。

本当のところ、鈴木慶信は橋本理子の出費にそこまで口を出すタイプではない。金がないわけでもないし、ケチる必要もない。

ただ、橋本理子のほうが後ろめたかった。鈴木慶信の前では、金に執着しない女でいたい。そういう「理想の奥さん像」を崩したくなかったのだ。

ところがその夜。

ぷ...

ログインして続きを読む